『転校生 さよならあなた』

大林宣彦監督が25年前の自作を再映画化した『転校生 さよならあなた』を鑑賞してきました。 →公式サイト
個人的には今年一番の衝撃作でした。
もちろんベースとなっているのは25年前の『転校生』でありながら、むしろ手触りは新・尾道三部作に近いです。教師役を『ふたり』主演の石田ひかりさんが演じていたり、『あした』の高橋かおりさんや『あの、夏の日』の勝野雅奈恵さんが特別出演的に顔を出しているのも、その印象を強くしています。
今回の舞台である信州は、尾道とは違って坂の街ではないけれど、常に傾いたカメラが画面に坂を作り出しています。この作品は、間違いなく大林監督の尾道映画の1本として数えられるべき作品です。
オリジナル版とは違った後半の展開には否定的な意見もあると思います。しかし、あえてあの展開を選んだところに、大林監督の奥深さを感じさせられました。


脇役で登場する窪塚俊介さんが、出番は多くないけれどいい存在感を出してます。『恋する日曜日 私。恋した』や『屋根裏の散歩者』など、出演作が相次いで公開になっていますが、見るたびにどんどん良い俳優になっているなあと感じます。こういう魅力を持った若い俳優さんが出てくるのは嬉しいことですね。