「視点」の恐怖

2月17日をもって、映画『王様ゲーム』の東京での上映が終了しました。12月の公開から2ヶ月を越えるロングランは、異例のヒットと言えると思います。 地方によってはまだ上映が継続中、さらにこれから公開となる地方もあるようです。また、少し先の6月とな…

「ふたりのヒロイン」の系譜

映画『王様ゲーム』は、ふたりのヒロインを中心として物語が進んでいきます。 異常な状況に戸惑いつつも真相にたどりつこうとする本多智恵美と、クールに状況を見つめる不思議な少女・岩村莉愛のふたりです。 この「ふたりのヒロイン」という構図は、鶴田法…

『王様ゲーム』

人気ケータイ小説をホラーの名匠・鶴田法男監督のメガホン、アイドルグループ・Berryz工房と℃-uteの出演で映画化した『王様ゲーム』、12月17日(土)の公開が近づいてきました。もうプレミア上映会も始まっているようですね。 →公式サイト私は試写で一足早く拝…

ホラー映画の可能性を示す『怪談新耳袋 怪奇』

9月4日より公開になる『怪談新耳袋 怪奇』を試写で拝見させていただいたとき、かなりの興奮を覚えました。 私は1990年代から日本のホラー映画*1を好んで観てきました。しかし、ここ数年はホラー映画の状況に、ある種のもどかしさのようなものを感じて…

『ソフトボーイ』

6月19日から公開中の『ソフトボーイ』を観てきました。 予告編などからは、『ウォーターボーイズ』のような、ライトでコミカルなスポーツ青春ものを想像する方が多いと思います。実際、そんな“ライトでコミカルなスポーツ青春もの”でもあるんですけど、『ソ…

ゼロ年代映画ベストテン

はい、とうとう前回の更新から1年以上このブログを放置しちゃいました。 さすがにこのまま2009年1度も更新なしで終わってはいかんと。ちょうどゼロ年代最後の年ということで、あちこちで「ゼロ年代ベストテン」という企画を見ることも多いので、私も2…

『東京残酷警察』

“西村喜廣”というお名前を初めて意識したのは、たしか2006年に単館公開された井口昇監督の『おいら女蛮』を観たときだったと思います。この作品で特殊メイク・造形を担当していたのが西村さんでした。 永井豪作品の映像化であるこの作品は、『遊星からの…

なんと4ヶ月以上も放置していました。やー、いかんいかん。

『Rec/レック』

先週末より公開されているスペイン製ホラー映画『Rec/レック』を鑑賞してきました。 →公式サイト 以前、特殊脚本家の小中千昭さんがウェブサイトで「今、注目しているのはスペインのホラー」という趣旨のことを書いていらしたことがありました。『Rec』は小…

円谷チャンネル

すでにあちこちで話題となっていますが、円谷プロダクションがYouTubeで公式チャンネルを開設しました。 『Q』『マン』『セブン』の各1話に、おお『ミラーマン』もある、『ブースカ』もある、なんと『ボーンフリー』もあるぞ! と配信動画一覧を観て軽く興…

『チェスト!』

舞台となる鹿児島で先行公開されヒットを記録している『チェスト!』が、4月19日から全国公開となっています。 →公式サイト 4キロの遠泳大会出場に向けて、互いの絆を深めていく小学生3人が軸となった作品です。作品のメインのターゲットとなるのは、彼ら…

『ねこのひげ』

先週より、渋谷シアター・イメージフォーラムで『ねこのひげ』という作品がレイトショー上映されています。それぞれ離婚を経験して同棲生活をはじめた一組カップルを中心に、彼らの周囲の人々の日常を描いた作品です。 よくある映画のように、映画の中でドラ…

Girl's BOX ラバーズ☆ハイ

3月29日からやはりQ-AXシネマでレイトショー公開になっているのが『Girl's BOX ラバーズ☆ハイ』。 女性アイドルが集まった「Girl's BOX」というプロジェクトから生まれた劇場用作品で、DRMの長谷部優さんら「Girl's BOX」の中心メンバー5人がメインキャ…

アクエリアンエイジ 劇場版

3月22日から公開されているのが『アクエリアンエイジ 劇場版』。同名のカードゲームが原作ということですが、申し訳ないことに原作についてはよく知りません。 主人公の高校生・日下部要の周りで起こる奇妙な事件。やがて要は、古代から地球の覇権を争って…

前回の更新から2ヶ月以上あいてしまいました。 今回は、ちょっと前から渋谷Q-AXシネマで上映されている映画2本について。

『すみれ人形』

これまでに『呪怨』の清水崇監督はじめ、多くの映画人を輩出してきた映画美学校。そこからまた新たな才能が登場します。新鋭・金子雅和監督が同学校の終了制作として監督した初長編作『すみれ人形』が1月26日から渋谷アップリンクXにてレイトショー公開さ…

20日も過ぎてからようやく2008年初ブログです。今年もよろしくお願いします(いまさら)。

2007年作品雑感[劇場作品編]

『アディクトの優劣感』 劇場作品では、2007年末に近くなってから観たこの作品について。 アンダーグラウンドのカルチャーにスポットを当て、ドラッグなどの“刺激”を求めていく若者たちを作品。ストーリーの内容もですが、その作られ方もまた刺激的なも…

2007年作品雑感[テレビシリーズ編]

TV

『ULTRASEVEN X』 10月から1クール深夜枠で放送。かつてのヒーローのキャラクターを使い、「1984」を思い出させるような“監視された社会の物語”をハードボイルドタッチで描くというのは面白いアプローチでした。従来のウルトラシリーズでは異色回とされ…

今年も月刊に近いペースでの更新になってしまいました。もっと高い頻度で更新したいと思ってはいるのですが。 2007年も終わりということで、いままで書いていなかった映像作品についていくつかまとめて書いてみます。

石井聰亙監督DVDボックス

1995年に公開された石井聰亙監督の『水の中の八月』は、九州を舞台に、日本の風土に根ざした幻想的な作品となっており、私の好きな映画ランキングの上位に入る作品です。 数年前、石井聰亙監督の公式サイトをみたところ、作品を管理していた会社の消滅な…

来年1月公開『ペルソナ』

以前、一緒に最恐ホラー大全―邦画編 (Mediax mook (258))というムックを執筆した樫原辰郎監督の新作映画『ペルソナ』が来年1月26日より東京・シネマート六本木ほかで公開になります。グラビアやドラマ、舞台など幅広く活躍する山崎真実さん初の主演映画です…

体外離脱

TV

先日、科学雑誌「Newton」を読んでいたところ、面白い記事を見つけました。イギリスとスイスのふたつの研究チームが、3D映像ゴーグルを用いた実験で被験者に体外離脱を体験させることに成功し、そのレポートが「Science」に掲載された、というものです。8…

『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』

DREAMS COME TRUEの人気曲を題材にした映画と聞いて、古い表現ですが、恋愛をトレンディに描いた作品なのかと予想していました。 しかし実際には、主人公ふたりの爽やかな恋愛を軸にしつつも、仕事だったり、家族であったり、生きていく中で誰もが直面するで…

出崎統監督作品『CLANNAD −クラナド−』

出崎統監督といえば、『ガンバの冒険』やら『あしたのジョー』やらで、幼少時に印象を深く刻み付けられたアニメ監督です。 その出崎監督の最新作は美少女ゲームを原作とした劇場作品だというのを知ったのがしばらく前。果たして、出崎監督が作ると美少女ゲー…

『人が人を愛することのどうしようもなさ』

石井隆監督の新作『人が人を愛することのどうしようもなさ』を観て圧倒されました。 →公式サイト 主人公は、女優の名美。新作映画で名美自身と似た境遇の女優“鏡子”を演じる彼女が記者のインタビューに応えるという形で映画は進行していきます。 “名美”と“鏡…

これは驚いた

以前に感想を書いた『転校生 さよならあなた』を観たとき、医大生を演じた俳優さんが印象に残りました。 普段なら気になった俳優さんは名前をチェックしてネットで調べるところなのですが、そのときはエンドロールで名前をチェックできず、最終回にギリギリ…

『スピードマスター』

8月下旬から公開されている映画『スピードマスター』がかなり面白かったです。 →公式サイト チューンナップを施された国産スポーツカーが繰り広げる、熾烈なカーバトルを描いた映画。 そのストーリーを簡単に書くと「街にやって来た流れ者が、困っている親…

アイコン

PC

メールソフトのThunderbird 2をインストールしてみました。 まだ使い始めたばかりで使い心地に関して語れることはないのですが、この「迷惑メールフォルダ」のアイコンは最高。迷惑メールに対して抱く感情をまさに的確に表現しています。

赤い服の女

映画『叫(さけび)』公式サイトで配布されているブログパーツを貼ってみました。 1990年代からの国産ホラー映像作品を意識的に追ってきた私にとって、今年の春に公開された『叫(さけび)』は非常に刺激的で、またさまざまに考えさせられる作品でした。…