『映画ふたりはプリキュア Splash☆Star/デジモンセイバーズ THE MOVIE』

私の2006年映画納めは東映アニメーション作品2本立てとなりました。夕方までで上映が終わってしまう館が多いので、なかなか観にいけなかったのです。

デジモンセイバーズ THE MOVIE』

メインキャラクターの人間が終盤まで登場せず、デジモンだけで話が進んでいくという構成に驚かされました。人間キャラのファンにとっては不満のある部分かも知れませんが、人間中心でドラマが展開されるテレビ版との差別化ができていたと思いますし、また思い切って登場人物を少なくしたことで短い上映時間の中でシンプルにストーリーを展開させることに成功していると思いました。
デジモンシリーズでは劇場版第1作の光が丘、テレビシリーズ1作、2作目のお台場臨海地域、テレビシリーズ第3作での新宿と、実在の場所を舞台としているのが魅力のひとつとなっていますが、今回の劇場版では横浜の風景がテレビシリーズ以上にリアルに描かれているのが個人的には見所でした。実際に自分もよく知っている風景の中で、現実には存在しないものが活躍するという映像は、非常にワクワクするものがあります。
実は先日、横浜に行ったときにみなとみらいの映画館でこの作品を観ようかと思っていたのです。そのときは時間がうまく合わず断念したんですが、映画の舞台に程近い横浜の映画館でこの作品を観ていれば、格別な興奮が味わえたのではないかと思います。
2002年の映画『デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急』では山手線沿線が舞台となり、新宿大ガードでのデジモンの格闘シーンも描かれます。私はこの作品を新宿の映画館で観たのですが、上映が終わり、まさにさっきまでスクリーンに描かれていた風景の中を歩くと、不思議な感覚にとらわれたものでした。

デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急 [DVD]

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『映画ふたりはプリキュア Splash☆Star』

そして同時上映、というか上映時間から言ったらこちらがメインの『プリキュア』。
正式なタイトルには「チクタク危機一髪」と付いているように、時間を巡る物語になっています。世界の時間を止めて支配しようとする存在との闘いが主軸になるのですが、物語の導入部は「目覚まし時計を止めてしまって寝坊」だったり、時間、時計というキーワードが実に巧みに物語の中に取り入れられています。
そして、今回の映画では主人公ふたりの心のすれ違いが描かれているんですね。でもってこれは映画を観終わってしばらくして思いついたことなんですけど、時計の針っていうのはまさに「すれ違う」ものだよなあと(笑)。
それは半分冗談としても、時計の針って「ピッタリ重なり合うことは少ないけどずっと離れないもの」だったり、「ふたつが揃ってその価値を発揮するもの」ですよね。重要なキャラクターとして時計の針を擬人化したキャラクターも登場しているんですけど、そんな意味も主人公たちの関係の隠喩として含まれていたのではないかと思っています。