『エコエコアザラク』
2004年に刊行されたムック『最恐ホラー大全―邦画編 (Mediax mook (258))』で、私は『エコエコアザラク』の項をこう結びました。「日本ホラー屈指のキャラクターとして、黒井ミサはこれからも甦り続けるに違いない」
その時点では上野なつひさん主演のテレビシリーズが製作されたところでしたが、それから2年、ミサがスクリーンに戻ってきました。
12月16日より渋谷シネ・ラ・セットで『エコエコアザラク R-page』、そして30日から同『B-page』が上映されています。
近野成美さんを5代目となるミサ役に迎え、太一監督がCF出身らしくスタイリッシュな映像で新たな魔女の活躍を描いています。太一監督の演出は、普通の監督であればいかにも「ここは見せ場ですよ」と強調するような部分もさりげなく描くようなところがあり、個人的にはストイックな印象を受けました。おそらく、一度観ただけだと気付かない部分も多いと思います。『R-page』と『B-page』は『R』が前編、『B』が後編にあたるのですが、『B』を観るあとにもう一度『R』を観ると、最初の鑑賞では気付かなかった新たな発見があるのでは思います。
さて、前述の『最恐ホラー大全』では紹介する作品数も限られていたため『エコエコアザラク』に関しては劇場版第1作をとり上げたのですが、個人的には加藤夏希さん主演の第4作も好きな作品です。人の心に潜む闇の部分が恐怖を生む。それは当時アニメなどでよくあった「信じる心が奇跡を起こす」という展開のアンチテーゼとなっているようで面白く感じたものです。
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