福岡県書店商業組合の愚行

7月1日から、福岡県書店商業組合が万引きされた本の転売防止を目的として「万引き防止シール」を導入したそうです。書店で購入時に書籍にシールを貼り、正規に購入されたものであることを証明するというのです。[YAHOO!ニュースの記事]
実際にどのようにシールが貼られるかは、gooニュースの記事で画像を見ることができます。
この画像を見たとき、一瞬目を疑いました。本というのは決して中身だけで本なのではありません。表紙など“外側”もその本を構成する重要な要素です。
たしかに書店からの万引きは深刻な問題ですし、その対策は急務でしょう。しかし、だからといって本にシールを貼るということは、あまりに無神経な行為です。本のデザインに関わる方々への侮辱行為といっても過言ではない。
おそらく、この制度を考え付いた福岡県書店商業組合の方々は、本を単なる商品としか考えていないのでしょう。本を作る人たちへの敬意もなければ、本を買う消費者に対する配慮もない。でなければこんな愚かしい行為ができるはずがない。
福岡県書店商業組合のサイトには“「販売証明シ−ル」制度スタ−トにあたっての御礼とお願い”と題する文章が掲載されました。その中で組合理事長は「少年の規範意識の向上と万引きさせない社会環境の醸成に傾注してまいります」と書いていますが、「少年の規範意識」をうんぬんする前にまず自分たちの「本に対する意識」を向上させる必要があるのではないでしょうか。