ゼロ年代映画ベストテン
はい、とうとう前回の更新から1年以上このブログを放置しちゃいました。
さすがにこのまま2009年1度も更新なしで終わってはいかんと。ちょうどゼロ年代最後の年ということで、あちこちで「ゼロ年代ベストテン」という企画を見ることも多いので、私も2009年最初で最後の更新として「ゼロ年代映画ベストテン」を書くことにしました。
世界は彼女のためにある(2005年/保坂大輔)
自分がまだここまで映画で興奮できるのだということを確認させてくれた作品です。保坂監督は2009年には清水崇監督『戦慄迷宮3D』の脚本を担当。今後の活躍も楽しみです。
ドニー・ダーコ (2001年/リチャード・ケリー)
ストーリーに謎の多い作品という評価も多かったようですが、個人的には解釈するのではなく、そういう作品として受け取るべき映画ではないかと思っています。日本では劇場未公開となってしまったリチャード・ケリー監督の第2作『サウスランド・テイルズ』はまだ未見。
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すみれ人形 (2008年/金子雅和)
自分が恵まれていると思うのは、数年に一度「あなたはこういう映画が好きなんでしょ?」と、自分でも気づかなかった嗜好を教えてくれるような作品に出会えていることです。『すみれ人形』もそんな作品のひとつです。
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カミュなんて知らない (2006年/柳町光男)
約2時間のフィルムだけでなく、この映画を作る行為そのものが『カミュなんて知らない』という柳町光男監督の作品であったのだと思います。そして映画を観た者は映画について考え、語ることでその作品に参加することができる。いまだに終わることなく、今後も終わらない作品。
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叫 (2007年/黒沢清)
1990年代から国産ホラー映像作品を追ってきた私にとって、ゼロ年代半ばを過ぎて黒沢清監督が送り出したこの作品は刺激的でした。“ジャパニーズ・ホラー”がひとつの様式として確立した感のある現在、もう一度“怖さ”について問いかけてみる黒沢監督の実験であったように感じています。
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スカイ・クロラ The Sky Crawlers (2008年/押井守)
押井守監督が若い世代に向けての明確なメッセージを持った作品を作ったということが私にとっては衝撃的な出来事でした。
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レディ・イン・ザ・ウォーター (2006年/M・ナイト・シャマラン)
壮大なファンタジー巨編のような構造を持った物語をひとつのアパートの中という閉じられた空間で展開させるという手法がユニーク。ファンタジー巨編がいくつも公開された時代だからこそ成立し得た作品だと思っています。
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青い鳥 (2008年/中西健二)
決して饒舌に語ろうとはしない映画。感情すらわかりやすく説明することが好まれるいま、そんな静かな映画がしっかりと存在することの頼もしさを感じます。この映画のあり方自体が、映画の主人公である村内先生の孤高な姿に重なっていきます。
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チェイサー (2009年/ナ・ホンジン)
映画が終わったときに感じるのは、どうしようもないやり切れなさ。そして個の無力さ。それを妥協なく見せてくる、その力強さに脱帽。
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ブギーポップは笑わない (2000年/金田龍)
みんながどこかでリンクしていて、でも当事者たちには全貌は見えない。ゼロ年代ベストテンを考えているとき、そんな作品が2000年に公開されていたのがなにか面白い出来事のように感じました。
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以上が私のゼロ年代映画ベストテンです。洋画の場合は日本での公開年を表記しています。
“ゼロ年代”を意識して作品を選んでみると「この作品はこの年のベストワンではないけれどゼロ年代を考えると入れておきたいな」というふうに、単純に各年のベストが並ぶわけではなかったのが面白いところでした。
というわけで2009年最初で最後の更新でした。次の更新は……2010年代映画ベストテンにならないようにはしたいと思います(笑)。