『東京残酷警察』
“西村喜廣”というお名前を初めて意識したのは、たしか2006年に単館公開された井口昇監督の『おいら女蛮』を観たときだったと思います。この作品で特殊メイク・造形を担当していたのが西村さんでした。
永井豪作品の映像化であるこの作品は、『遊星からの物体X』や『ヴィデオドローム』など、1980年代の作品を思い出させるような特殊メイク・特殊造形が印象に残りました。CG全盛となっている昨今、表面が粘液で覆われたようなグチャグチャした質感が、懐かしいと同時に新鮮に思えたものです。
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2006/03/08
- メディア: DVD
- クリック: 61回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2006/09/21
- メディア: DVD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
ビデオドローム (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2008/06/12
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (6件) を見る
MEATBALL MACHINE-ミートボールマシン- [DVD]
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2007/02/07
- メディア: DVD
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
ただ、このころまでは、それらの描写は監督のアイディアありきなのだろうと思っていました。「井口監督も山口雄大監督も、こんな描写を思いつくとはなんてえげつない人たちなんだろう。その要求にこたえなければならない西村さんも大変だなあ」と思っていたのです。
それは大きな間違いでした。
きっと井口監督も雄大監督も、すごく良識あふれるまともな人たちに違いないのです。だからこそ『MEATBALL MACHINE』や『片腕マシンガール』は、あの程度の描写に“とどまって”いたのです。
西村さんの初監督作となる映画『東京残酷警察』が10月4日に公開になりました。→公式サイト
近未来の東京を舞台に、民営化された警察と、“エンジニア”と呼ばれるミュータントの壮絶な闘いを描いたSFバイオレンスアクション。全編にわたり『MEATBALL MACHINE』や『片腕マシンガール』はまだ序の口だったのだと思わせられる残酷描写のオンパレードです。
その残酷描写に乗せて描かれるのは、永井豪の漫画版「デビルマン」を彷彿とさせる、果たして善悪とはなんなのか? というテーマ。凄まじいパワーで迫ってきます。そのパワーは、生半可な気持ちで観たら負けてしまいそうになるほどのもの。しっかり身構えて鑑賞しましょう。
- 作者: 永井豪とダイナミックプロ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/07
- メディア: コミック
- 購入: 8人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (26件) を見る