『スピードマスター』

8月下旬から公開されている映画『スピードマスター』がかなり面白かったです。
公式サイト
チューンナップを施された国産スポーツカーが繰り広げる、熾烈なカーバトルを描いた映画。
そのストーリーを簡単に書くと「街にやって来た流れ者が、困っている親子を助け、悪役を倒し、また去っていく」という、かつての西部劇の名作や、無国籍アクションを思わせるシンプルなもの。そして、主人公は至ってクールでカッコ良く、ヒロインはひたすら健気でひたむき、悪役はとことん憎々しいという、実に娯楽映画の黄金パターンを踏まえた作品となっております。
今、こういうシンプルな娯楽作を作るのは、かえって難しいところはあると思うのですが、それをきちんと成立させている須賀大観監督の手腕と、それぞれのキャラクターを「やり切っている」キャスト陣の演技が見事です。
カーバトルを題材とすると、車に興味がないと楽しめない作品となってしまうことも少なくありませんが、カーバトルだけを前面に押し出すのではなく、それ以外のドラマ部分もしっかり見せているこの作品は、幅広い層の人が楽しめる作品になっていると思います。