赤い服の女

映画『叫(さけび)』公式サイトで配布されているブログパーツを貼ってみました。
1990年代からの国産ホラー映像作品を意識的に追ってきた私にとって、今年の春に公開された『叫(さけび)』は非常に刺激的で、またさまざまに考えさせられる作品でした。
この映画に登場する“赤い服の女”が、現在の国産ホラー映画に多大な影響を与えている、鶴田法男監督と脚本・小中千昭さんのコンビによるオリジナルビデオ作品『ほんとにあった怖い話』の一編「夏の体育館」に登場する“赤い服の女”のイメージを元にしているのは間違いありません。
鶴田監督自身や黒沢監督も含め、“赤い服の女”はその後、いくつもの作品で恐怖表現として使われてきました。そして『叫』において、黒沢監督は“赤い服の女”に、改めて「それは何者であるのか」というキャラクター性を付加しています。そこには“ジャパニーズ・ホラー”がジャンルとして、スタイルとして確立した中で、もう一度「何が怖いのか?」を問い直そうとする黒沢監督の姿勢があるように感じています。

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