『ふるさと−JAPAN』

4月7日より、ユナイテッドシネマ豊洲などで映画『ふるさと−JAPAN』が上映されています。舞台は昭和31年の東京の下町。日本の童謡を歌い継ごうとする新任教師と、彼女の指導で合唱大会出場を目指す児童たちの姿を描いたアニメーションです。→公式サイト
とにかく丁寧に作られているという印象を受ける作品です。画は細かいところまで気が配られており、背景も相当な取材に基づいて描かれているのがうかがえるもの。随所随所で使われている3DCGも実に効果的です。
公式サイトで配信されている予告編をご覧になっていただければその映像のクオリティはご理解いただけると思いますが、残念ながらひとつ重要な点が予告編ではわかりません。この映画で重要な意味を持つ童謡を歌うシーンでは、登場人物の口の動きが歌に見事なシンクロを見せています。これはぜひ劇場でご覧になっていただきたい部分です。
現在のアニメのメインストリームとは異なったタイプの作品ですが、アニメでこういう題材を描けるのだ、こういう表現ができ得るのだという可能性を強く感じさせられる作品でした。

『ふるさと−JAPAN』の1週間前には、『鉄人28号 白昼の残月』が公開となっています。『ふるさと−JAPAN』も『鉄人28号』も、第2次大戦終戦から約10年後、まだ戦争の記憶が残る東京が舞台で、戦時中の出来事が劇中で重要な役割を持っています。作品のタイプとしては異なりますが、共通点も多い2作品が同時期に公開されたのも面白い偶然だと思っています。