『ムシキング』『ラブ and ベリー』

以前から楽しみにしていた甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー 〜闇の改造甲虫〜』『オシャレ魔女 ラブ and ベリー しあわせのまほう』2本立てを観てきました。2作とも人気児童向けカードゲームを映画化した作品です。

スタジオ「神風動画」を率いる水崎淳平監督が手掛けている『ムシキング』は、登場するキャラクターのほとんどが3DCGで描かれた昆虫たち。動きこそデフォルメされているものの、見た目はリアルな甲虫そのものです。当然人間のような表情の変化はないにもかかわらず、そのキャラクターが喋り、動くと、ちゃんとエモーションが感じられるんですよね。まったく人の形と違うキャラクターでも感情移入できるというのが意外な発見でした。

『ラブ and ベリー』は多くの魔法少女ものに参加してきた望月智充監督の手によるもの。ドラマ部分は通常の2Dアニメで、ダンスシーンになると3DCGになるという構成です。ダンスシーンはモーションキャプチャーが使われていて、動きはすごく滑らかです。しかし、映像の質感がドラマ部分とすっかり変わってしまうため、前後のシーンとのつながりが途切れた異質なものに感じてしまいました。なので、クライマックスとなる部分でもイマイチ盛り上がれないんですよね。作品全体としてはすごく楽しめたんですけど、その部分は少し引っかかるところでした。もともとのゲームは3DCGらしいので、実際にゲームで遊んでいる子供たちにはむしろ3DCGのほうが馴染めたりするのかなあ。そこはちょっと興味のあるところです。
あと、『ムシキング』はラストがアイリスアウトだったり、『ラブベリ』では天下の黄金パターン「寝坊してトーストくわえて走ってたらゴッツン!」があったりと、映像面では先端の技術を使っている一方で古典的なネタを使っているのが面白かったです。


それと、この2作って男児、女児の別はあるけれど、対象年齢としては同じ層に向けているんですよね。でもって男の子が「最強の甲虫だ!」とか「必殺技だ!」とかやっているときに、女の子は「TPOに合わせたオシャレでイケてる女の子を目指すの!」とやっているわけで、同じ年代だと女の子のほうがずっとオトナなんだよなあってことを観終ったところで改めて感じたりしました(笑)。